「店舗改装に使える補助金はないかな?」
「補助金はどれくらいもらえるの?」
店舗改装にはさまざまな補助金を利用することができます。しかし各補助金によって対象となる経費や補助金額、要件などが異なるため、自分の事業に合った補助金を見つける必要があります。
この記事では店舗改装に使える補助金を4つ紹介します!店舗改装を検討している方はぜひ参考にしてください。
事業再構築補助金
事業再構築補助金とは、新商品やサービスの開発、新しい分野への進出、業種の変更などの付加価値を高める中小企業の事業を支援する補助金です。
新商品を開発し、新たなマーケットとして店舗開業する場合などに利用することができます。
申請要件
事業再構築補助金には、3つの申請要件があります。一つずつ紹介します。
1.事業再構築指針に示す「事業再構築」の定義に該当する事業であること
以下の6つの類型のいずれかに該当している必要があります。
類型 |
内容 |
新市場進出(新分野展開、業態転換) |
新たな商品・サービスで新市場へ進出する |
事業転換 |
主となる業種を変えず、事業を転換する |
業種転換 |
新たな製造を行い、主たる業種を変更する |
事業再編 |
事業再編を通して事業転換・業種転換・新市場進出のいずれかを行う |
国内回帰 |
海外で製造している製品を国内生産拠点で整備する |
地域サプライチェーン維持・強靱化 |
地域のサプライチェーンにおいて必要不可欠であり、その供給に不足が生じ、又は、生ずるおそれのある製品について、その製造方法が先進性を有する国内生産拠点を整備する |
新事業を始めるための店舗改装などであれば、「新市場進出」や「事業転換」「業種転換」などに該当します。ただし、店舗を増やすための改装は該当しない可能性も高いため注意が必要です。
2.事業計画を金融機関等や認定経営革新等支援機関と策定し、確認を受けていること
事業計画について金融機関等又は認定経営革新等支援機関の確認を受けていることが条件です。
3.付加価値額を向上させること
補助事業終了後の3年~5年の間で、3~5年で付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加、又は従業員一人当たり付加価値額の年平均成長率3.0~5.0%(事業類型により異なる)以上増加させることが条件です。
補助対象者
補助対象者は、前項の申請要件に加えて、日本国内の中小企業や個人が対象です。なおかつ各事業類型毎に別途補助対象要件を設けています。詳しく知りたい方は「第12回事業再構築補助金公募要項」をご確認ください。
補助額/補助率
補助額と補助率は、類型によって異なります。
類型 |
補助上限 |
補助率 |
付加価値額の年率平均増加率 |
成長分野進出枠枠:通常類型 |
6,000万円(短期に大規模賃上げを行う場合:7,000万円 |
中小企業:1/2(大規模な賃上げを行う場合2/3) 中堅企業:1/3(大規模な賃上げを行う場合1/2) |
4% |
成長分野進出枠枠:GX進出類型 |
中小:8,000万円(短期に大規模賃上げを行う場合:1億円) 中堅:1億円 (短期に大規模賃上げを行う場合:1.5億円) |
||
コロナ回復加速化枠:通常類型 |
3,000万円 |
中小企業2/3 中堅企業1/2 |
3% |
コロナ回復加速化枠:最低賃金類型 |
1,500万円 |
中小企業3/4(一部2/3) 中堅企業2/3 (一部1/2) |
|
サプライチェーン 強靱化枠 |
3億円(建物費を含む場合:5億円) |
中小企業1/2 中堅企業1/3 |
5% |
卒業促進上乗せ措置 |
事業類型の補助金額上限に準ずる |
– |
|
中長期大規模賃金引上促進上乗せ措置 |
100万円~3,000万円 |
対象経費
事業再構築補助金の対象経費に含まれる項目は、大きく分けると以下の経費が該当します。
- 建物費
- 械装置・システム構築費
- 術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドワークス利用費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
- 広告宣伝・販売促進費
- 研修費
- 廃業費
店舗改修であれば、店舗の設備投資、システムの構築費や内装デザインの外注費などが対象となります。
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金とは、中小企業や個人事業主の販路拡大や生産性向上を支援することを目的とした補助金です。新たな販路開拓を行うために、店舗の改装などを行う際に利用することができます。
申請要件
小規模事業者の申請要件は、以下のような取り組みや計画をしている事業者が対象です。
- 販路開拓などを取り組む
- 販路開拓等と併せて行う業務効率化(生産性向上)を取り組む
- 新規顧客獲得に向けた商品開発、改良を行う
店舗改装であれば、新たな店舗を開業し、事業の売上を図ったり、新サービスの商品開発を行って提供する店舗などが該当します。
補助対象者
小規模事業者の補助対象者は、以下の項に掲げる要件をすべて満たした小規模事業者である必要があります。
商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) |
常時使用する従業員の数5人以下 |
サービス業のうち宿泊業・娯楽業 |
常時使用する従業員の数20人以下 |
製造業その他 |
常時使用する従業員の数20人以下 |
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていないこと
- 確定している(申告済みの)直近過去3年分の「各年」又は「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
- 商工会議所の管轄地域内で事業を営んでいること
- 小規模事業者持続化補助金の採択を受けて補助事業を実施した場合、補助金申請までに受領されたものであること
- 小規模事業者持続化補助金<一般型>において、「卒業枠」で採択を受けて、補助事業を実施した事業者ではないこと
- 前回(第15回)の公募に申請中ではないこと
補助額/補助率
小規模事業者持続化補助金は、以下の表の通り5つの申請枠が用意されており、それぞれ補助上限額と補助率は異なります。
申請枠 |
補助上限額 |
補助率 |
通常枠 |
50万円 |
2/3 |
賃金引上げ枠 |
200万円 |
2/3(赤字事業者 3/4) |
卒業枠 |
200万円 |
2/3 |
後継者支援枠 |
200万円 |
2/3 |
創業枠 |
200万円 |
2/3 |
申請枠によって、支援目的が異なります。例えば、賃金引上げ枠は、従業員の賃金を事業場内最低賃金が地域別最低賃金より+50円以上引きあげる場合に利用できます。どれも支援目的が異なるため、適用される要件が異なります。
詳しく知りたい方は「第16回公募 小規模事業者持続化補助金<一般型> 公募要領」を確認してみましょう。
対象経費
小規模事業者持続化補助金の対象経費に含まれる項目は、大きく分けると以下の経費が該当します。
- 機械装置等費
- 広報費
- ウェブサイト関連費
- 展示会等出展費(オンラインによる展示会・商談会等を含む)
- 旅費
- 新商品開発費
- 資料購入費
- 借料
- 設備処分費
- 委託・外注費
委託・外注費では、「店舗改装・バリアフリー化工事」「利用客向けトイレの改装工事」「製造・生産強化のためのガス・水道・排気工事」などの項目が、店舗の改装時に対象となります。
ものづくり補助金
ものづくり補助金とは、新商品や新しい生産方式の導入を行う企業や新サービスの開発などを行う中小企業などに対して交付される補助金です。
飲食店などであれば、「大型と小型のコーヒー焙煎機」や「焼き菓子製造機」などの機械設備やシステムの導入費用に充てることができます。
申請要件
ものづくり補助金の申請ができる事業者は、以下の3つの要件を満たす3年〜5年の事業計画書の策定及び実行を行うことです。
- 付加価値額年平均成長率3%以上の増加
- 給与支給総額平均成長率1.5%以上の増加
- 事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円以上
補助対象者
ものづくり補助金に申請できる対象者は以下の項目に該当する方です。
- 中小企業者(資本金または常勤の従業員数が、規定の数字以下である会社または個人)
- 中小企業者(組合・法人関連。企業組合・協業組合・商工組合など)
- 特定事業者の一部(業種ごとに定められた常勤従業員数を下回る会社・個人のうち、資本金の額または出資総額が10億円未満であるもの。また生活衛生同業組合・酒造組合・内航海運組合・技術研究組合なども該当する)
- 特定非営利活動法人
- 社会福祉法人
ただし、上記の対象者の中でも補助対象外となる場合があるため、詳しく知りたい方は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要項」を参考にしてください。
補助額/補助率
ものづくり補助金は、以下の表の通り5つの申請枠が用意されており、それぞれ補助上限額と補助率は異なります。
類型 |
補助上限額 |
補助率 |
|
省力化(オーダーメイド)枠 |
|
|
|
製品・サービス高付加価値化枠 |
通常類型 |
|
|
成長分野進出類型 |
|
2/3 |
|
グローバル枠とは |
3,000万円(3,100万円~4,000万円) |
|
()内は、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用した場合、上限額が引上げされます。
対象経費
ものづくり補助金の対象経費に含まれる項目は、大きく分けると以下の経費が該当します。
- 機械装置・システム構築費(必須)
- 技術導入費
- 専門家経費
- 運搬費
- クラウドワークス利用費
- 原材料費
- 外注費
- 知的財産権等関連経費
グローバル枠に関しては、海外旅費や通訳・翻訳費なども含まれますが、店舗改装の場合は該当しないことでしょう。
IT導入補助金
IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に利用できる補助金のことです。
店舗改装とは直接関係しませんが、飲食店などではセルフレジや券売機などの導入費用に関して交付されます。
申請要件
IT導入補助金は、5つの申請枠に分かれ、それぞれ要件が異なります。しかしさまざまなITツールを導入し、事業をデジタル化するための経費であれば、申請ができます。
各申請枠ごとの要件は「交付規程・公募要領」でご確認ください。
補助対象者
IT補助金の対象者は、中小企業(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)と小規模事業者(従業員20人以下のービス業のうち宿泊業・娯楽業や従業員20人以下の製造業その他など)です。(下図参照)
補助額/補助率
ものづくり補助金は、以下の表の通り5つの申請枠が用意されており、それぞれ補助上限額と補助率は異なります。
種類 |
補助上限額 |
補助率 |
通常枠 |
|
1/2 |
セキュリティ対策推進枠 |
5万円~100万円 |
1/2 |
インボイス枠(インボイス対応類型) |
|
・中小企業:3/4以内 ・小規模事業者:4/5以内
|
インボイス枠(電子取引類型) |
350万円 |
|
複数社連携IT導入枠 |
補助対象経費による:3,000万円まで |
補助対象経費による |
対象経費
対象経費となるものは、ITツールなどに関連するもので、以下の項目が挙げられます。
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料
- 導入関連費
- インボイス制度に対応し、「会計」「受発注」「決済」の機能を有するソフトウェアや機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ
- インボイス制度に対応した受発注の機能を有しているもの など
店舗の場合、キャッシュレス決済に対応するツールやPC・タブレットなども対象です。
店舗改装の補助金のまとめ
店舗改装に関する補助金を5つ紹介しましたが、どれも細かな要件が定められているため、事前に確認してから店舗改装を行うことをおすすめします。
また、本補助金以外にも、各自治体で運用している補助金や助成金もあるケースがあります。事前に行政などのホームページで確認しておきましょう。
弊社IXSAでも店舗改装を承っております。ぜひご相談ください。