店舗改装費用の相場はいくら?業種別費用と費用を抑える3つの方法を紹介!

「店舗改装の費用相場はいくら?」

「業種ごとの改装費用を知りたい」

「改装費用を抑える方法を知りたい」

店舗改装を検討している方は、上記のような悩みを抱いている方も多いのではないでしょうか。実際の改装費用の相場観を想定していないと、業者の見積もりが高いのか安いのか判断できません。

そこで、この記事では店舗改装の相場を業種別で紹介します。また、改装費用を抑える3つの方法と、使える補助金について解説します。

店舗改装費用の相場はいくら?

店舗改装の費用は「内装」と「外装」に分かれます。見積もり自体は一緒に行われますが、「内装だけ変えたい」「外装だけ直したい」という方もいらっしゃることでしょう。

ここでは、内装と外装に分けて紹介します。

内装のリニューアル費用と料金相場

内装のリニューアル費用は、店舗の業種によって異なりますが、1坪当たり「15万円〜50万円」前後です。店舗の広さが25坪の場合、「375万円〜1250万円」ほどになります。

特に水回りやキッチンなどが必要となる飲食店は内装のリニューアル費用が高く、比較的設備などが少ないアパレル店舗などは費用が安い傾向にあります。

内装費用は、建材や照明などのグレードも高くすれば、当然ながら費用も割高になります。さらに、著名なデザイナーや建築家にデザインを依頼すると、費用は高額となるでしょう。

店舗のデザインをデザイナーなどに依頼した場合、施工費の10%〜20%ほど上乗せされるケースが多いです。

そのため、業種と依頼先で金額が大きく前後する工事でもあります。

外装のリニューアル費用と料金相場

外装のリニューアル費用は、25坪ほどで「50万円〜150万円」ほどです。もちろんどこの範囲まで外装をリニューアルするかによりますが、看板の設置であれば20万円前後、証明の追加であれば10万円〜30万円ほどになります。

また、外装を塗装した場合は、25坪で50万円〜100万円程の追加費用がかかりますが、外壁の張替えなどとなると100万円を大きく超える可能性が高くなります。

もちろん依頼する業者によって費用は大きく異なるため、業者に見積もりを取って確認しましょう。

業種別店舗の改装費用相場

ここでは業種別の店舗改装費用相場を紹介します。

店舗の業種(25坪) 費用相場目安
飲食店 1100万円〜1300万円前後
美容室・サロン 800万円〜1070万円前後
アパレル店舗 400万円〜1050万円前後

飲食店

飲食店などの場合、おおよそ「1,100万円〜1,300万円前後」の費用がかかります。

飲食店は、厨房設備が必要となるため、内装費用が高額になります。もちろん設備をリースなどで対応するケースも多いですが、イスやテーブルなどの座席関係の家具は、自分で用意しなければいけません。

またお店のコンセプトに合わせて高級感のある内装や、照明器具などにこだわりを持つと、一つ一つの費用が高額なため、店舗改装費用も高くなるでしょう。

上記の価格はあくまで目安であり、2000万円や3000万円近い費用にもなる可能性も十分あるため、相場だけで想定するのではなくしっかり業者に見積もりを取って確認しましょう。

美容室・サロン

美容室・サロンなどの場合、おおよそ「800万円〜1070万円前後」の費用が相場です。美容室は、飲食店などと導入する設備は異なりますが、シャンプーイスやシャンプー台、スタイリングチェアなど、ひとつ数十万円近い価格の設備の導入費用がかかります。

一般的な美容室やサロンの広さは、20坪前後ですが、対応できる客数を多くすると、その分設備を用意しなければいけず、費用が割高となります。

アパレル店舗

アパレル店舗などの場合、おおよそ「400万円〜1050万円前後」の費用が相場です。

アパレル店舗は飲食店や美容室・サロンとは異なり、大きな設備を導入する必要がないため、コストが安いという特徴があります。

しかし、内装と外装のデザインが重要視される業種でもあるため、デザイナーや建築などの専門家に依頼するケースも多いです。

費用が高い専門家に依頼すると、上記の相場を大きく超える可能性もあるため十分注意しましょう。

店舗改装費用を抑える3つの方法

店舗改装費用の相場を紹介しましたが、どの業種でも高額な費用です。少しでも店舗改装費用を抑えたい方は、以下の3つの方法で改装を行いましょう。

・居抜き物件を狙う
・複数社に見積もりを取る
・補助金を利用する

ひとつずつ紹介します。

居抜き物件を狙う

居抜き物件とは、全借主が使用していた設備などが残ったままの物件のことです。もともと飲食店や美容室などだった賃貸物件は、前借主が使ってた設備が導入されたままのケースも多いため、改装費用を抑えることができます。

もちろん、居抜き物件にある設備が劣化していて使えない場合もあります。賃貸募集している居抜き物件は、設備の使用可否が掲載されていることが一般的なため、事前に確認できます。

居抜き物件であれば、クロスの交換や照明の設置、水回りのクリーニングや家具などの導入費用程度で済むため、店舗改装費用を抑えることが可能です。

さらに、設備を導入する工期の短縮も可能となり、開業を早めることもできるでしょう。

一方で、居抜き物件にある設備が業種と合わなかったり、レイアウトの変更に制限がかかってしまう物件も多いです。

とはいえ、どの業種も設備の導入費用は高額です。コストを優先するのであれば、居抜き物件を検討してみると良いでしょう。

複数社に見積もりを取る

店舗改装の工事費用は、業者によって大きく異なるため、複数社に見積もりを取るようにしましょう。

ベースとなる工事内容を1社と打合せし、その後見積内容を他社に伝えることで簡単に見積もりを取ることができます。

他社の金額を見積もりを取っている会社へ伝えると、価格競争を起こせる反面、金額を安く見せるために、見積もりから項目を差し引かれて安く提示されるリスクが伴います。

そのため、同条件で見積もりを取るようにしましょう。

ただし、見積金額だけで判断すると、ずさんな工事が行われたり、手抜き工事などの可能性が高まります。

過去にどのような店舗改装工事を手掛けて来たのかを確認するようにしましょう。

業者によっては、飲食店を中心に行っていたり、美容室やアパレル店舗に特化している場合があります。

マルチに対応してくれる業者も多いですが、自分が開業する事業を得意とした業者を選ぶと、費用面はもちろん、店舗改装のノウハウも持ち合わせているため、安心してまかせることができます。

一般的には、店舗改装を行う業者はホームページに過去の施工事例を掲載しています。自分に合った業者を見つけるためにも、確認して比較しましょう。

補助金を利用する

店舗を改装をする際、補助金や助成金が利用できる場合があります。国や自治体では、店舗改装などを行う事業者に対しさまざまな補助金制度を設けており、多額の金額を受け取ることも可能です。

次の項では、店舗改装に使える補助金を紹介します。

店舗改装費用に使える補助金とは

店舗改装費用に使える補助金はさまざまありますが、ここでは4つの補助金を紹介します。

・事業再構築補助金
・小規模事業者持続化補助金
・ものづくり補助金
・IT導入補助金

どのような補助金があるのかひとつずつ確認しておきましょう。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、新商品や新サービス、新分野への進出に伴う中小企業の事業を応援する補助金です。

新市場進出や事業展開などで店舗を開業する方などが対象となり、設備導入費や内装デザインなどが経費として認められます。

事業再構築補助金は5つの類型に分かれており、従業員の数によって補助上限額が異なります。以下の表は、従業員20人での類型別補助上限額と補助率の一覧表です。

事業類型 補助上限額(従業員20人の場合) 補助率
成長分野進出枠(通常類型) 1,500万円 【中小企業】 1/2(2/3)
【中堅企業】 1/3(1/2)
成長分野進出枠(GX進出類型) 3,000万円(4,000万円) 【中小企業】1/2(2/3)
【中堅企業】1/3(1/2)
コロナ回復加速化枠(通常類型) 1,500万円 【中小企業】2/3(600万円)
【中堅企業】1/2(600万円)
コロナ回復加速化枠(最低賃金類型) 1,000万円 【中小企業】3/4(2/3)
【中堅企業】2/3(1/2)
サプライチェーン強靱化枠 3億円
※建物費を含む場合は5億円
【中小企業】1/2
【中堅企業】1/3

※()内は、短期に大規模な賃上げを行う場合

いずれの枠も「事業計画について認定経営革新等支援機関の確認を受けること」「付加価値額を向上させること」が申請の必須要件となり、更にそれぞれの枠ごとに別途要件があります。

詳しく知りたい方は「事業再構築補助金」をご確認ください。

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金とは、中小企業や個人事業主の販路拡大や生産性向上を支援することを目的とした補助金です。

販路開拓などに取り組む店舗開業のための改装費用などに利用することができます。

ただし、業種によって異なりますが、常時使用する従業員の数20人以下の事業者が対象となるため、従業員の数には注意しましょう。

申請枠 補助上限額 補助率
通常枠 50万円 2/3
賃金引上げ枠 200万円 2/3(赤字事業者 3/4)
卒業枠 200万円 2/3
後継者支援枠 200万円 2/3
創業枠 200万円 2/3

また、申請枠によって支援目的が異なるため、要件にも違いがあります。詳しく知りたい方は「第16回公募 小規模事業者持続化補助金<一般型> 公募要領」を確認してみましょう。

ものづくり補助金

ものづくり補助金とは、新商品や新しい生産方式の導入を行う企業や新サービスの開発などを行う中小企業などに対して交付される補助金です。

飲食店などであれば、新商品開発のための機器設置費用などが対象経費に含まれます。

類型 補助上限額(従業員20人の場合) 補助率
省力化(オーダーメイド)枠 6~20人:1,500万円(2,000万円) ・中小企業:1/2
・小規模・再生:2/3
製品・サービス高付加価値化枠
通常類型
6~20人(通常類型):1,000万円(1,250万円) ・中小企業:1/2
・小規模・再生:2/3
・新型コロナ回復加速化特例:2/3
成長分野進出類型 6~20人(成長分野進出類型):1,500万円(1,750万円) 2/3
グローバル枠 3,000万円(3,100万円~4,000万円) ・中小企業:1/2
・小規模・再生:2/3

()内は、大幅賃上げに係る補助上限額引き上げの特例を適用した場合、上限額が引上げされます。

グローバル枠は店舗改装に適用されませんが、うまく利用すれば設備導入費用に充てることが可能です。

詳しく知りたい方は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進事業公募要項」を参考にしてください。

IT導入補助金

IT導入補助金とは、中小企業・小規模事業者がITツールを導入する際に利用できる補助金のことです。

飲食店などのルフレジや券売機などの導入費用が対象となります。

小規模事業者の方は、従業員20人以下で対象者となりますが、5つの申請枠に分かれ、それぞれ要件が異なるため、事前に「IT導入補助金2024 」で確認しておきましょう。

種類 補助上限額 補助率
通常枠 ・1プロセス以上:5万円~150万円未満
・4プロセス以上:150万円~450万円以下
1/2
セキュリティ対策推進枠 5万円~100万円 1/2
インボイス枠(インボイス対応類型) ・インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト:350万円以下
・PC・タブレット等:10万円以下
・レジ・券売機等:20万円以下
・50万円以下部分
 中小企業:3/4以内
 小規模事業者:4/5以内
・50万円超〜350万円以下部分:2/3以内
インボイス枠(電子取引類型) 350万円 ・中小企業・小規模事業者等:2/3以内
・その他の事業者等:1/2以内
複数社連携IT導入枠 補助対象経費による:3,000万円まで 補助対象経費による

店舗改装費用のまとめ

店舗改装の費用は、内装で1坪当たり「15万円〜50万円」前後となり、外装で「50万円〜150万円」ほどになります。

とはいえ、建物の大きさやデザイン性、導入する設備によって改装費用は異なるため、実際に業者の見積もりを確認しましょう。

改装費用が高いと感じる人は、1社の見積もりだけで決めるのではなく、2社3社相見積もりを取りましょう。

また、居抜き物件を狙えば導入設備費用を抑えることができるうえ、補助金などを利用すれば、大きな金額を圧縮できます。

店舗改装業者をしっかり打合せし、使える補助金などを確認しながら工事を進めるようにしましょう。

CONTACT