店舗設計を依頼する流れを解説!先に決めておく3つの事項と店舗設計のポイントとは?

「店舗設計はどのように依頼するの?」

「依頼する前に決めておくことはある?」

店舗を改装する際は、専門業者による店舗設計が行われます。

この設計作業が店舗改装のカギになるといっても過言ではありませんが、初めて店舗改装する方にとってはどのような流れなのか分からない方も多いでしょう。

そこで、この記事では店舗設計の概要と依頼する流れ、設計前に決めておく3つの事項を紹介します。

店舗設計とは

店舗設計とは、店舗の内外装のレイアウトやデザインなどを設計することです。店舗設計は、売上や集客に大きな影響を及ぼす重要な役割があります。

飲食店などであれば、味だけでなく、居心地の良さなども店舗設計で考慮しなければいけません。

またオシャレな美容室やアパレル店舗などの場合、コンセプトに合わせたデザインが求められます。

このように業種に合わせたデザインを考慮して、図面に落とし込むのが店舗設計の役割です。

店舗設計と店舗デザインの違い

店舗設計に似た言葉で、「店舗デザイン」がありますが、2つの違いが気になる方もいらっしゃるでしょう。

店舗設計は、店舗の内装や外装のレイアウトなどの設計を指しますが、店舗デザインは、店舗設計を含めたお店のブランディングや集客などを含めた戦略的方針の総称のことを指します。

店舗の経営者は、店舗の内装のデザインだけでなく、いかに顧客を獲得して利益を生み出すのかを考慮しなければいけません。

経営がうまく成り立たなければ店舗から撤退や廃業することにもなりかねないため、店舗設計と並行して店舗デザインを考慮していくのが一般的です。

店舗設計の依頼先

店舗設計の依頼先は「設計事務所」「建築デザイナー」「リフォーム会社」の3つが挙げられます。

・設計事務所には1級建築士や2級建築士が在籍しているため、新築の店舗の設計ができます。
・建築デザイナーには、建築士が在籍していない会社もあり、既存建物のデザインを考慮するのが主な仕事です。
・リフォーム会社では、建築士が在籍している会社もあれば、設計事務所などに設計を委託して施工だけを行う会社もあります。

店舗が完成するまでの工程は、大きく分けて設計と施工に分けられます。

上記の3つの中で、施工も一緒に行えるのがリフォーム会社ですが、施工までを一括して請け負う設計事務所もあります。

店舗設計の費用相場

店舗設計の費用の相場は、おおよそ「施工費用の10%〜15%」程度です。もちろん依頼する業者によって割合は異なります。

例えば、施工費用が300万円の場合、おおよそ30万円〜45万円ほどの費用がかかります。

店舗設計の費用は、施工費用を算出しないとわからないため、工事の見積もりが確定して初めて店舗設計費用がわかるようになります。

店舗設計を依頼する流れ

ここでは店舗設計を依頼して工事が完成するまでの全体の流れについて紹介します。

設計事務所に相談する

まずは、設計事務所や建築デザイナーなどに相談しましょう。自分が思い描く店舗のデザインやコンセプトを伝えます。

どの業者にしたらよいか悩んでいる方は、まずは相談だけでも問題ありません。

一般的に初回相談は無料に設定している業者も多く、設計事務所は、ヒアリングからさまざまなアドバイスを行ってくれます。

また、過去の施工事例なども見せてもらい、なおかつ、店舗設計を依頼した際の費用も同時に確認しておくと、比較検討する材料にもなります。

物件を決める

依頼先が決まった後は、実際に物件の内見を一緒に行い、決めていきます。

専門業者に見てもらうことで、自分のコンセプト通りの建物にできるかチェックしてもらえます。

また、建物内の動線や水回りの設備なども一緒に確認してもらえるため、現地内見に同行してもらいましょう。

設計と見積もり依頼

物件が決まった後は、実際に設計を依頼し、見積もりを出してもらいます。

はじめはラフ図と呼ばれる簡易図面で打ち合わせを行い、おおよそのイメージを共有します。その後、基本設計で詳細を打ち合わせし、工事の発注ができる実施設計を行っていく流れです。

基本設計でおおよその金額を算出してもらえる会社も多いため、見積もりを出してもらいましょう。

設計事務所(施工会社)と契約

実施設計の図面が完成した後は、設計事務所と施工会社と契約します。(設計と施工を一括で契約する場合もあります。)

基本設計の段階で契約する設計事務所もあるため、事前に確認しておきましょう。

また、契約時には「契約金100万円」などを支払う必要がある設計事務所も多いです。

設計費用の支払いタイミングは各業者によって異なるため、相談時に確認しておくことをおすすめします。

物件の契約

設計事務所と契約した後は、店舗物件の賃貸借契約(または売買契約)を締結します。

物件は、早いもの勝ちなため、内見をしてから急いで契約しなければいけません。

特に店舗は立地が重要視されます。人気のエリアはすぐに入居希望者(購入希望者)が見つかってしまうため、設計事務所と打合せして、早期に借りるようにしましょう。

工事の着手

物件の契約後は、実施設計をもとに工事の着手がスタートします。工事期間中は開店準備を行うのと同時に、図面通りに進んでいるか確認しておきましょう。

完成

店舗改修の工事が完成すると、竣工検査と立会いを行います。図面通りの仕上がりになっているのか、不備がないかをしっかりチェックしておきましょう。

店舗設計前に決めておく3つの事項

店舗設計をスムーズに進めるためにも、店舗設計前に決めておく3つの事項があります。

・店舗のコンセプト
・店舗改装の予算
・店舗開業予定日

ひとつずつ確認して決めて行きましょう。

店舗のコンセプト

どのような店舗にするのかというコンセプトを決めておきましょう。コンセプトは、お店の「テーマ」や「骨子」のことです。

例を挙げると、飲食店であれば、老舗旅館のような落ち着いたお店や、大衆居酒屋のようにアットホームなお店、高級感あるレストランなどさまざまあります。

また、店舗の立地や名前などからコンセプトを決める方もいらっしゃいます。

コンセプトが思い浮かばない人は、普段からいろんな店舗を見て参考にしましょう。

店舗改装の予算

店舗の改装は、設備や内装のグレードを上げるにつれて高額になるため、あらかじめ予算を決めておくことが大切です。

予算も決めずに店舗設計の打ち合わせを行うと、予想外の金額になるケースも多いです。

コスト削減のために再度打ち合わせし直したりする手間がかかり、開業まで時間がかかってしまいます。

あらかじめ改装費用の予算を決め、設計事務所に伝えてから打ち合わせを始めましょう。

店舗開業予定日

店舗の開業予定日を決めておくと、スケジュール管理がしやすく、開業までスムーズに進みます。

例えば「○○までに間取りを決める」「○○までに設備を決める」などと、期日管理ができれば打ち合わせも進めやすくなります。

店舗設計は決める項目が多く、人によっては半年以上かかるケースも少なくありません。

設備やクロスの色、照明から家具などの配置箇所と、決めごとは多岐にわたります。

細部までこだわりを持って打ち合わせするのも良いですが、開業の時期が遅れてしまう可能性も高いです。

そのため、開業予定日から逆算してスケジュールを決めておきましょう。

店舗設計のポイント

最後に、店舗設計のポイントを4点紹介します。

・実績の豊富な業者を選ぶ
・希望条件や基本情報を詳しく伝える
・動線も考慮する
・コンセプトからブレないようにする

業者選びや設計図に関係するポイントなので、ひとつずつ確認しておきましょう。

実績の豊富な業者を選ぶ

店舗の設計を選ぶ際は、豊富な経験を持ち合わせている業者へ依頼するようにしましょう。店舗設計を行ったことがない設計事務所に相談すると、イメージ通りの内装にならなかったり、良い提案をもらえない可能性も高まります。

業者を探す際は、ホームページなどで過去の実績を確認し、自分と同じ業種の店舗設計を行っていたり、イメージが近い施工例があるなどをチェックして選びましょう。

希望条件や基本情報を詳しく伝える

どうしても譲れない希望条件や、お店の基本情報などを伝えると、理想的な店舗に近づきます。

後から重要な情報を伝えると、設計図を変更しなければいけない場合もあるため、伝えられる情報はすべて共有するようにすることが大切です。

主に、店舗のコンセプトや開業予定日、予算、物件の規模やエリアなどを伝えると、設計事務所としてもイメージが分かりやすくなり、良い店舗設計につながります。

まずは、実現可能などは考慮せず、自分の要望を全て伝えてみるとよいでしょう。

動線も考慮する

店舗設計では従業員や顧客の動線も考慮しておきましょう。動線が悪いと、従業員同士が仕事しにくくなり、作業効率の低下につながります。

また入口から席までの動線が不便だと、顧客のリピート率も低くなってしまいます。

ある程度ゆとりのある方が、開放感を感じ、動きやすいと感じるのが一般的です。もちろんお店のコンセプトに合わせた動線を考慮しなければいけませんが、「自分が動くなら」をイメージして設計しましょう。

コンセプトからブレないようにする

店舗設計はコンセプトからブレないようにしましょう。

例えば和風居酒屋を開業するのに、洋風なデザインを取り入れたりすると、どのようなお店なのか顧客に伝わりません。

自然と居心地が悪く感じる人も多く、売上の低迷に繋がる可能性もあります。

もちろん適度に取り入れる分は問題ありませんが、大きくコンセプトがブレてしまうと「何のお店?」「なんか入りにくい」と感じる人もいらっしゃいます。

決めたコンセプトからブレずに設計することをおすすめします。

店舗設計のまとめ

店舗設計は、店舗の内外装のレイアウトやデザインなどを設計することです。設計事務所や建築デザイナー、リフォーム会社などが設計を行ってくれます。

業者が決まった後は物件選びを一緒に行い、間取りや動線、設備などを決めていきます。見積もりに合意できた後は、契約し、着工して完成する流れです。

設計を依頼する前に、お店のコンセプトや予算を決め、過去の施工例などを参考に、自分のイメージ通りに設計してくれる業者を見つけましょう。

CONTACT