ジムの内装デザインを成功させるポイント【2025年版】

フィットネスジムやパーソナルジムを開業するとき、「内装デザインをどうすれば良いか?」と悩むオーナーは少なくありません。実際、ジムの内装は集客(新規会員獲得)やリピート率アップに大きく影響します。設備を充実させるだけでは自然とお客様が集まるわけではなく、内装が与える印象や居心地の良さが顧客の満足度を左右するのです。

本記事では、内装デザインの重要性からコンセプト設計のコツ、エリア別の注意点、素材・設備選びのポイント、最新トレンド事例までを丁寧に解説します。ぜひ参考にしてみてください。

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ジムの内装デザインが重要な理由

ジム内装がこれほど重要視されるのには大きく3つの理由があります。

ジム選びの決め手になる

利用者はジムを選ぶ際、価格や設備、立地など様々な基準を比較しますが、「清潔感があって居心地の良い空間かどうか」も重要な決定要因です。

内装デザインに力を入れることで「このジムに通いたい」と思わせるポイントが増え、競合から選ばれる可能性が高まります。特に多様な層が出入りするジムでは、誰にとっても清潔で快適に感じられる内装が欠かせません。

利用者のモチベーションを高める

内装デザインは利用者のやる気にも影響します。心理学的にも、色彩や明るさと人の感情には関連があり、明るくポジティブになれる空間づくりによって「また来たい」「頑張りたい」という気持ちを引き出せます。

例えば、温かみのある色合いや十分な照明で前向きな雰囲気を演出すれば、利用者のモチベーション維持に役立ちリピーター増加につながります。逆に暗く閉鎖的で雑然とした空間では長続きしません。

ブランディング・差別化効果

内装はジムのコンセプトやブランドイメージを体現する重要な要素です。他店とは違う世界観を内装で打ち出すことで差別化が図れます。近年はSNSにトレーニング風景を投稿するユーザーも多く、内装がお洒落だと写真映えして勝手に宣伝効果を生むことも期待できます。例えば女性専用ジムならパステルカラー中心の優しい配色にするといった工夫で、ターゲット層に「自分向けの空間だ」と印象付けることができます。

以上の理由から、ジムの内装デザインは集客力・顧客満足度・リピート率に直結する重要課題と言えます。では、具体的にどのように内装計画を進めれば良いのでしょうか?以下で詳しく見ていきましょう。

ターゲットに沿ったコンセプト設計のポイント

まず取り組むべきはジムのコンセプトとターゲットを明確にすることです。コンセプトとは「どんなジムにしたいか」を一言で表す軸であり、これが定まらないままデザインを始めると統一感のない空間になりがちです。

ターゲット層の明確化

あなたのジムは誰に利用してほしいジムでしょうか? 例えば「美ボディを目指す20代女性」「本気で筋肥大を狙う30代男性」「健康維持が目的の50代主婦」など、想定する主要顧客層をできるだけ絞り込みます。あれもこれもと欲張って複数のニーズに応えようとすると、結局コンセプトがぼやけてしまうのでNGです。「こんな人に通ってほしい!」という像を明確に定め、その人の心に響く内装コンセプトを据えましょう。

コンセプトテーマの設定

ターゲットが決まったら、その層に響く内装テーマを考えます。例として、「高級感のあるリゾート風空間」「清潔感あふれる白基調の空間」「黒を基調としたクールで男性的な空間」「パステルカラーで優しい雰囲気の空間」など。実在する他店の写真を参考にしながら「自分のジムはこんなイメージにしよう」と方向性を絞り込むと良いでしょう。

オリジナリティと競合差別化

コンセプトを固める際には、競合他社との差別化ポイントも意識します。周囲に大手チェーンがあるなら、あえて「完全個室のプライベートジム」や「女性専用」「24時間無人ジム」など形態自体を差別化するのも戦略です。近年はこのようなユニークな形態のジムがトレンドになっています。

コンセプトに沿った名称・ロゴや内装要素

設計の最初に決めたコンセプトは、その後の全てのデザインの指針となります。内装カラー、設備配置、小物に至るまで一貫してコンセプトを反映させていきます。たとえば「都会的で洗練されたジム」にするなら内装カラーはモノトーンやメタリック調に統一し、照明もスタイリッシュなデザインにします。「アットホームで初心者歓迎のジム」にするなら木目調の温かみある床材やカラフルで親しみやすいアクセントカラーを取り入れる、という具合にコンセプトブレしない演出を心掛けましょう。

エリア別の内装デザイン注意点

ジム内の各エリアごとのデザインポイントを見ていきましょう。ジム空間を用途に応じて適切にゾーニング(区画分け)することは、顧客満足度や運営効率に大きく関わります。入口からトレーニングエリア、更衣室まで、利用者の動線をイメージしながら計画することが肝心です。

エントランス・受付エリア

第一印象を決めるエントランスは特に重要です。入口に一歩足を踏み入れた瞬間、「このジムは雰囲気が良い」と思わせられるよう演出しましょう。エントランスはジムのコンセプトを象徴する空間でもあるため、ロゴやカラーリング、装飾などでブランドイメージを明確に伝えます。

受付カウンターの配置や動線も配慮が必要です。受付は入口正面か入ってすぐ目につく位置に配置し、新規客でも迷わない導線にします。パンフレットラックや料金表など必要情報がすぐ取れるように配置しつつ、雑然としないよう整理整頓された印象を保ちましょう。清潔感も重要な評価ポイントなので、床や壁は汚れに強い素材にして常に綺麗に保てるようにします。

トレーニングエリア(マシン・フリーウェイト)

ジム内でもメインとなるトレーニングエリアは、使いやすさと安全性を最優先にデザインします。

【マシンエリア】では各マシンの配置間隔を十分に取り、利用者同士が窮屈にならないようにしましょう。マシンの種類ごとにゾーニング(有酸素マシンエリア、筋力マシンエリアなど)しておけば、自分の目的の器具が探しやすくトレーニング効率も上がります。

【フリーウェイトエリア】(ダンベルやバーベルを使うエリア)は他より広めのスペースを確保し、壁際などできるだけ他利用者と距離が取れる位置に配置するのが理想です。鏡張りにしてフォームを確認しやすくするとともに、周囲にクッションマットを敷いて衝撃や音を吸収させ、安全面にも配慮します。

トレーニングエリア全体で利用者の動線がスムーズになるよう心掛けます。レイアウトが人の流れに合っていないと、毎回あちこち移動する手間が増えて利便性が下がります。動線計画を行い、不要な行き来が発生しないように配置しましょう。

ストレッチ・リラクゼーションエリア

トレーニング後のクールダウンやヨガ・ストレッチなど静的な運動のためのエリアでは、リラックスできる雰囲気作りを優先します。照明は落ち着いた暖色系に調整し、壁やマットの色も淡いアースカラーなど安らげるトーンでまとめると良いでしょう。

防音設計にも配慮し、間仕切り壁に吸音素材を使ったり、他エリアと距離を置くなどの工夫をしましょう。床材は厚手のクッションマットやカーペットを敷き、静音性と安全性を両立させます。

可能であれば、カフェのように寛げるラウンジを設けて「運動後にほっと一息つける空間」を演出するのも効果的です。

更衣室・シャワーエリア

更衣室やシャワールームは小規模ジムでも必ず利用者が使うエリアです。ここが清潔で使いやすいかどうかもジムの評価に直結します。

更衣室には十分な数のロッカーを配置し、動線にゆとりを持たせます。混雑時でもスムーズに着替えられるよう、ベンチや椅子の配置にも気を配りましょう。床材は防水性・耐久性に優れたものを使用し、消臭効果のある換気扇や空気清浄フィルターを導入します。

臭い対策として、高性能な換気設備の設置や、抗菌仕様の床・壁材の使用も有効です。シャワールームには水はけの良い床勾配や速乾性クロスを採用し、カビが発生しにくい設計を心掛けましょう。

快適で安全な空間づくりのためのポイント

ジム内装の快適性・安全性を高めるためには、以下の要素が重要です。

防音対策

ジムでは器具の衝撃音や利用者の声など騒音が発生しやすいため、防音対策は必須です。遮音・吸音性の高いラバーマットを床に敷いたり、壁や天井に防音材を追加施工すると効果的です。特に重量物を扱うエリアでは振動吸収用の床材を選ぶことで、騒音トラブルを未然に防げます。

安全性・耐久性の確保

滑りにくくキズが付きにくい弾性床材を採用することで、転倒や器具落下の衝撃にも強い床を実現できます。高齢者向けのジムでは特に重要なポイントです。また、マシンの設置に耐えうる床強度がある物件かどうかも確認が必要です。

温度・空気環境の快適さ

ジム空間では多くの人が汗をかき呼吸も荒くなるため、空調・換気設備も通常以上に強化しておきます。換気不足だと室温が上がり湿度もこもって不快ですし、運動で発生する二酸化炭素濃度が高まるとめまいや倦怠感の原因になります。快適な温度・空気環境を維持するために、パワフルな空調機器と高機能換気扇を導入し、常に新鮮な空気を循環させましょう。

また臭い対策の観点からも換気は重要です(前述の更衣室・シャワー対策参照)。定期的なフィルター清掃も怠らず、清潔な空気環境を保つことがリピーター獲得の鍵となります。

レイアウトと動線設計

器具配置の動線計画は利用者の満足度を左右します。人の流れを妨げないレイアウトにすることで、初めて来た人でも直感的に利用方法が分かりストレスが減ります。入口から各エリアへの導線、更衣室への経路などは案内表示も含め分かりやすく設計しましょう​。

「どこに何があるか分からない」「移動しづらい」と感じさせないことが大切です。混雑が予想される時間帯を考慮し、人が行き交うスペースは広めに確保しておくと安心です。

清潔感の維持

常に清潔であることはジム内装の大前提です。どんなにデザインがおしゃれでも不潔な印象では台無しになってしまいます。床・壁材は掃除しやすく耐水・耐汗性のあるものを選び、汗染みや臭いが残らないようにします​。

例えば壁紙よりは防カビ性の塗装壁や、消臭機能付きのクロスを使うなどの工夫です。また、アルコール消毒液スタンドやタオル置き場を適所に設置し、利用者自身がこまめに器具を拭けるようにしておくことで衛生意識の高さをアピールできます。特に更衣室・トイレ・シャワーなど水回りは重点的に清潔さを保ちましょう。清潔で爽やかな空間はそれだけで信頼感を生み、「また利用したい」と思わせる大きな要因になります

素材・設備選びのコツ

ジムに適した素材・設備を選ぶことで、快適性とデザイン性を両立させることができます。

床材の選び方

床はジム内で最も酷使される部分です。重量物が落ちても壊れにくく、かつ滑りにくい床材を選びましょう。一般的にはゴム系の弾性床材(ラバーマット、ゴムタイルなど)がスポーツジムに最適とされています​。クッション性が高く衝撃音も吸収してくれるため、安全性と防音性の両面で優れています。

実際、近年のジムでは全面にラバーマットを敷き詰めたり、必要箇所にジョイントマットを組み合わせているケースが多いです。ジョイント式マットならレイアウト変更や汚れた部分だけの交換も容易でメンテナンス性にも優れます。また、ロゴ入りのオリジナルマットを作ればブランドアピールにもなります​。

壁材・天井材の選び方

壁や天井は視覚的な印象を左右するだけでなく、機能面でも配慮が必要です。汗や湿気に強い素材を選ぶことで、長期間美観を保てます。例えば塗装仕上げにするなら防カビ性の高い塗料を使う、クロス仕上げなら耐水・防臭機能付きの壁紙にする、といった工夫です。防音を強化したい場合は吸音パネルや中空構造の石膏ボードを下地に仕込む方法もあります。これらは音の反響を抑え、トレーニング音を軽減してくれるため、集中しやすい静かな環境づくりに役立ちます。

また、壁面の一部を全面ミラー貼りにするのも定番です。鏡はフォームチェックに必要なだけでなく、空間を広く見せる効果もあります。特にパーソナルジムや小規模ジムでは大きな鏡を有効活用して開放感を演出しましょう

照明計画と機器

照明は内装の雰囲気を大きく左右する設備です。明るさ・色温度を調節できる調光調色機能付きLED照明を採用すると、時間帯やエリア用途に応じて空間演出を変えられます。例えば筋トレエリアでは白色系の明るい光で集中力を高め、ストレッチエリアでは暖色系の柔らかい光でリラックス感を出すといった具合です。

ダウンライトやスポットライトで特定のマシンやエリアを強調すればメリハリのある空間になり、利用者が目的意識を持ちやすくなる効果もあります。一方で壁面の間接照明は柔らかな光の広がりで圧迫感を和らげてくれます​。照明器具自体のデザインも内装コンセプトに合わせて選び、統一感を持たせましょう。

空調・換気設備

前項でも触れましたが、空調・換気はジム運営の裏の主役です。エアコンは定格より一回り大きな馬力のものを導入し、サーキュレーター等で室内の空気を循環させましょう。換気扇は二酸化炭素濃度を下げる能力の高い業務用を選ぶのがおすすめです​。

近年はCO₂センサー連動の換気システムもあります。予算に応じて最新設備も検討しましょう。空調ダクトや配管が露出する場合は、それもインテリアの一部としてデザイン的に見せる(工業的な無骨さを演出する等)のも一つの手法です。

トレーニング機器の選定

内装デザインと直接関係ないように思われる機器選定ですが、コンセプトとの一貫性という意味では重要です。ターゲット層やジムの特色に合わせた機材を選ぶことで、空間との調和が生まれます。たとえば初心者向けジムなら使いやすいシンプルなマシンを中心に、上級者向けならパワーラックやプラットフォームなど本格的な器具を揃える、といった違いです。

また、多機能マシンや可動式ベンチなど省スペースで効果を発揮する機器を選ぶと、小規模空間を有効活用できます。スリムでコンパクトなデザインの器具は実際の占有面積を減らし、見た目にも圧迫感が少ないため、小さなジムほど重宝します。最近ではスマートフォン連携やフォーム解析センサー付きの「スマート機器」も登場しており、ICTを活用した最新設備を導入すれば他ジムとの差別化にもなるでしょう​

インテリア小物と備品

最後に忘れてはならないのが小物類です。更衣室のハンガーや鏡、ジムエリアの時計や掲示板、音響設備(スピーカー)なども含め、細部まで統一感を持たせると完成度が上がります。

例えばウエイトラックやマット収納ラックも空間に馴染むカラーで統一したり、タオルやヨガマットにロゴを入れてブランディングするのも良いでしょう。観葉植物を置けば空間のアクセントになるだけでなく、空気清浄効果で環境面にもプラスです。グリーンや木など自然素材を取り入れると心地よい雰囲気づくりに役立ちます​

ジム内装の最新トレンドと事例紹介

近年注目されている内装デザインのトレンドには、以下のようなものがあります。

ターゲット特化型ジムの増加

「女性専用ジム」「高齢者向けジム」など、特定の層に特化したコンセプトジムが増えており、それに合わせた内装設計が求められます。

スマートジムの登場

大画面モニターやスマートミラーなど、デジタル技術を活用したトレーニング環境が注目を集めています。先進的な設備に合わせて内装も近未来的に演出することで、競争力を高められます。

滞在時間を延ばす空間設計

ラウンジやカフェスペースなどを設けて、単なるトレーニング場から「過ごせる空間」へと進化させる動きが進んでいます。

テーマ性のある独自インテリア

自然やアート、スポーツ史などをテーマにしたジムも登場しています。テーマがあることで、空間体験の質が向上し、SNS映えや話題性にも繋がります。

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