カフェ内装デザインの成功ガイド|コンセプトから費用まで【2025年版】

カフェに一歩足を踏み入れた瞬間、その空間が醸し出す雰囲気に心を奪われる経験はありませんか?おしゃれで居心地の良いカフェ作りは、内装デザインが重要な役割を果たします。

本記事では、カフェ内装デザインのコンセプト設定から成功のポイント、注意点、スタイルの種類、費用の目安まで、魅力的な店舗を実現するためのノウハウを分かりやすく解説します。

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コンセプトとターゲットを決める

まずはコンセプト(お店のテーマや方向性)とターゲット(想定顧客層)を明確に決めましょう。どんなお客様にどんな体験を提供したいかによって、内装のデザインや雰囲気は大きく左右されます。ターゲットに響くコンセプトを確立することで競合店との差別化にもなり、内装デザイン全体の軸がぶれなくなります。

コンセプトを決める際には、出店エリアの周辺リサーチも欠かせません。駅からの距離や人通り、近隣に学校やオフィスがあるか、競合カフェの価格帯などを調べておくと、競争力のあるコンセプトやメニューを検討しやすくなります。特に人の流れや地域特性は日々の集客に直結するため、事前にしっかりと確認しておきましょう。

コンセプト策定には5W2H(いつ・どこで・誰に・何を・どのように・いくらで)のフレームワークが有効です。例えば「いつ(When)」「どこで(Where)」といった観点でエリア特性に合わせた営業日時を決めたり、「誰に(Who)」「何を(What)」でターゲット層と提供商品を明確にすることで、ブレないコンセプトを導きやすくなります。

さらに、決めたコンセプトに沿って具体的な内装イメージを膨らませていきましょう。コンセプトの例として、木の温もりやグリーンで癒しを感じさせるナチュラル系、昭和レトロや古民家風など懐かしさを演出するレトロ系、アニメ・映画・音楽など特定の文化をテーマに据えたカルチャー系、モノトーンやメタリック素材でスタイリッシュにまとめたシンプル系などが挙げられます。例えば若い女性がターゲットなら可愛らしく写真映えする内装に、ビジネスマンが主な顧客なら落ち着いた色合いとWi-Fi設備を備えた内装にするなど、狙う客層によってふさわしいデザインは異なります。

こうした計画段階の工夫が、後の内装デザイン全体の方向性を決定づけるのです。

カフェ内装デザインを成功させる5つのポイント

レイアウト(配置設計)

利用しやすいレイアウトは来店する顧客の満足度を大きく左右します。

例えば入口付近には解放感のあるスペースを確保し、店内の奥にはプライベート感のある落ち着いた席を用意すると効果的です。また、店内の動線にも注意を払い、お客様がスムーズに移動できるような配置を心がけましょう。

席と席の間隔や通路幅にゆとりを持たせることで、スタッフのサービスもしやすくなり、一人ひとりの顧客が快適に過ごせるようになります。

照明

照明計画も空間の雰囲気づくりにおいて重要です。特に色温度の選び方で印象が大きく変わります。

暖色系の照明は柔らかな温かみとリラックス感を演出し、長居したくなる空間に適しています。一方で白色系の明るい照明は清潔感や活気を与え、爽やかな雰囲気を作り出します。店内全体の明るさのバランスを見ながら、照度にもメリハリをつけると良いでしょう。

また、照明器具自体のデザインにもこだわってみてください。カフェのインテリアスタイルに合わせた照明器具を選べば、空間全体に統一感が生まれます。例えばナチュラルテイストのカフェなら木や麻素材のシェード、モダンなカフェなら金属やガラス素材の照明器具といったように、コンセプトに合った照明デザインを取り入れましょう。

カラー(配色)

壁や家具の色合いといったカラーコーディネートも、利用者の心理に影響を与える重要な要素です。色彩心理を上手に活用し、居心地の良さを高める配色を心がけましょう。

例えばベージュやブラウンなど温かみのある色はリラックス効果を生み、赤やオレンジなど鮮やかな色は思わず写真に撮りたくなるような華やかさを演出します。季節ごとやイベント時にアクセントカラーを変えるなど工夫すれば、常連のお客様にも新鮮な印象を与え続けることができます。

ただし、あまりに流行に左右されすぎると落ち着きがなくなるため、時代遅れにならない範囲でトレンドを取り入れるバランス感覚も大切です。

素材

内装に使用する素材選びによって、空間の質感や温もりが大きく変わります。木材を多用すればナチュラルで親しみやすい印象に、金属やコンクリートを表しに使えば都会的でモダンな雰囲気になります。

例えばテーブルやカウンターを無垢材にすると温かみが出て、アイアンやスチールの椅子を合わせると程よいインダストリアル感が加わる、といった具合です。また、素材ごとのメンテナンス性や耐久性にも注目しましょう。汚れが付きにくく掃除しやすい床材や、頻繁な開閉にも耐えうる扉材など、日々の管理のしやすさも大事なポイントです。

素材は内装の見た目だけでなく、長くお店を運営していく上での使い勝手にも関わってきます。

装飾

装飾(デコレーション)は空間に個性と魅力をプラスし、他店にはない雰囲気を作り出す鍵です。店舗のテーマにマッチした装飾品やアートをバランスよく配置することで、訪れたお客様に「センスがいい」「また来たい」と感じてもらえる居心地の良い空間になります。

例えば、壁にアート作品や写真を飾ったり、季節ごとに小物やディスプレイを変えたりすると、来店のたびに発見があって楽しめるでしょう。観葉植物や生花を取り入れるのも効果的です。グリーンがあるだけで自然な温かみと癒しのアクセントが加わり、リラックスできる雰囲気づくりに寄与します。

こうした装飾アイテムもコンセプトやターゲット層に合ったものを選び、統一感を損なわない範囲で演出することが大切です。

居心地の良いカフェにするための注意点

動線とスペースのゆとり

テーブル配置や通路の幅は、居心地に直結する重要ポイントです。席同士の間隔が狭すぎると周囲を気にして落ち着かなくなってしまいます。

テーブル同士の間隔は広めに取り、お客様同士が干渉しないようにするのが基本です。また、カフェの入り口からカウンターまでの通路は障害物なく十分な広さを確保し、店内を移動しやすい動線を設計しましょう。トイレへの経路も含め、お客様がぶつからず歩けるレイアウトにすることが大切です。ベビーカー連れや車椅子の方でも移動しやすいよう配慮すれば、誰にとっても優しい空間になります。

座席の快適さ

長時間過ごすカフェだからこそ、椅子の座り心地やテーブルとのバランスにもこだわりましょう。硬すぎず適度にクッション性があり、背もたれの角度や高さが体にフィットする椅子を選ぶと、お客様が疲れにくくなります。実際にテーブルとセットで座ったときに、高さや肘掛けの有無などがちょうど良いか確認することも必要です。

さらに、椅子やソファはインテリアの一部でもあります。デザインや色調を内装テーマに合わせて統一し、世界観に合ったものを選ぶと空間に調和が生まれます。素材によってお手入れのしやすさも異なりますので、布張りなら定期的なクリーニングを、革張りならメンテナンスオイルでの手入れを行うなど、清潔で快適な状態を保ちましょう。

清潔感を保つ

カフェでは清潔感も居心地の良さの基本です。毎日の掃除はもちろん、テーブルや床、トイレなどを常に清潔に保ちましょう。

特に古民家カフェやレトロ調のカフェの場合、ヴィンテージ感を演出するあまり単に古びた印象にならないよう注意が必要です。中古の家具やアンティーク雑貨をインテリアに取り入れる際も、ほこりや汚れが積もったままでは「ただ古いだけ」と思われかねません。古さの中にも手入れが行き届いていることが感じられれば、懐かしさと快適さを両立できます。

統一感を持たせる

内装のコンセプトに沿って統一感を出すことも大切です。雑多な印象を与えないよう、家具や装飾品のテイストを揃えましょう。コンセプトを決めて備品を選びに行ったのに、つい「可愛いから」と関係ないアイテムまで買ってしまい、結果テーマがブレてしまう…という失敗も少なくありません。

統一感を欠くと落ち着かない空間になるだけでなく、不必要な備品購入で予算が膨らむ原因にもなります。内装に使う色・素材・デザインのルールを予め決め、それに沿ってアイテム選定をすると良いでしょう。ネットで家具や雑貨を購入する場合は色味や質感がイメージと違うこともあるため、可能であれば現物を確認してから揃えると失敗が減ります。

カフェ内装デザインの代表的なスタイル

ここでは、カフェに多く見られる7つの内装スタイルを紹介します。

スケルトンスタイル

壁や天井、配線などをあえてむき出しにしたインダストリアルなデザインです。コンクリートやダクトが露出した空間は都会的でスタイリッシュな雰囲気を演出できます。ただしシンプルゆえにごまかしが効かず、一歩間違えると雑然としてオシャレとは程遠い印象になってしまうため注意が必要です。

ラグジュアリースタイル

非日常的で高級感あふれる空間を演出したい場合に適したデザインです。シャンデリアや高級ソファ、上質な食器類などを取り入れることで、まるで高級ホテルやリゾートのラウンジのような雰囲気を作り出せます。空間にゆとりを持たせるため席数をあえて少なくし、贅沢にスペースを使うケースが多いのも特徴です。その分、一人当たりの単価を上げる工夫や回転率への配慮が必要になるでしょう。

ナチュラルスタイル

自然素材を取り入れた優しい風合いのデザインです。木目調の家具やフローリング、観葉植物などを配することで、自然を身近に感じられる温かみのある空間を作れます。近年は環境に配慮した取り組みが評価される風潮もあり、オーガニック志向のメニューと合わせてナチュラルテイストのカフェは幅広い年代のお客様に好まれる傾向があります。

レトロスタイル

昔懐かしい純喫茶のような雰囲気を再現したデザインです。アンティーク調の家具や古材風のインテリア、昭和レトロな柄の壁紙などを用いて、何十年も前にタイムスリップしたような世界観を演出できます。現代にはないレトロな空間は非日常体験として人々の印象に残りやすく、新規顧客の興味を引くだけでなくリピーター獲得にもつながりやすいと言われています。

ポップスタイル

ビビッドなカラーやユニークな装飾で明るく楽しい雰囲気に仕上げたデザインです。若いカップルやお子様連れなど、カジュアルに楽しめる空間を狙う場合に適しています。カラフルな壁やポップアート風のペイント、ネオンサインやユニークなオブジェなどを取り入れることで、賑やかで写真映えする雰囲気になります。入りやすく話題にもしやすいため、SNS世代の集客にも効果的でしょう。

和風スタイル

畳や障子、行灯など和の要素を取り入れて日本らしい風情を感じさせるデザインです。木格子や竹、漆喰壁といった日本家屋の意匠を活かし、茶室や町家を思わせる落ち着いた空間を作ります。ただし和風に振り切りすぎると古臭い印象になってしまうこともあります。「和モダン」の発想で、一部に洋風のインテリアや現代的なデザインを組み合わせると、伝統とモダンが調和した洒落た和風カフェに仕上がります。

隠れ家スタイル

隠れ家的な世界観を演出したデザインです。路地裏にひっそりと佇む秘密基地のようなカフェをイメージすると良いでしょう。店内は照明を落とし気味にして陰影をつくり、落ち着いたトーンでまとめることで「自分だけの特別な場所」感を高めます。入口や外観だけでなく内装にも遊び心を持たせて、非日常のドキドキ感を演出するのがポイントです。

カフェ内装工事費用の目安とコスト削減のコツ

内装工事費用の目安

理想の内装イメージが固まったら、次に気になるのは内装工事にかかる費用ではないでしょうか。一般的な目安としては、1坪あたり約20万〜50万円程度が相場とされています(内容やコンセプトによっては30万〜60万円/坪になるケースもあります)。たとえば20坪(約66㎡)のカフェであれば、総額400万〜1000万円ほどになると考えておくとよいでしょう。

内装工事費の主な内訳は、以下の3つです。

  • デザイン設計費

  • 内装施工費

  • 設備・家具購入費

デザイン設計費は総工事費の10〜15%ほど、内装施工費は使用素材や仕上げ内容によって変わります。設備費は厨房機器や照明、家具などが含まれ、選ぶグレードによって価格差が大きく出ます。予算内で収めたい場合は、優先順位を明確にし、どこにコストをかけるか取捨選択を意識しましょう。

費用を抑えるために、次のような工夫が考えられます。

居抜き物件を活用する

可能であれば、居抜き物件を選ぶのが効果的です。前テナント(飲食店など)の内装や厨房設備、空調設備などがそのまま残っている物件なら、それらを活かすことで初期投資を大幅に削減できます。特に水回りや換気など、施工コストが高くなりやすい部分が整っている場合は非常にメリットが大きいです。

ただし、設備が老朽化していたり、希望する内装コンセプトに大幅な変更が必要な場合は、逆に追加費用がかかるケースもあるため注意が必要です。内見の際には専門家と一緒に現場を確認し、コストパフォーマンスが高い物件かどうか見極めるのが理想的です。

中古の家具・設備を活用する

内装に使う家具や設備類を中古品で揃えるという選択もあります。テーブルや椅子、照明器具、厨房機器などは、中古市場や専門店で状態の良いものが見つかることも多く、新品の半額以下で手に入る場合もあります。

見た目に使用感があっても、アンティーク調やレトロ感を活かせば内装のアクセントとして活躍します。また、リメイクを前提に素材感だけを重視して選ぶのもおすすめです。DIYで塗装し直したり、クッションを張り替えたりすることで、安価ながらオリジナリティのある内装に仕上げることができます。

計画的な段階的投資をする

開業時にすべてを完璧に整えようとすると、どうしても予算が膨らみがちです。そこで、内装や設備を段階的に導入していくという考え方も有効です。最初は最低限の設備だけでスタートし、軌道に乗った後に徐々にグレードアップしたり、季節やイベントに合わせて装飾を追加したりといった柔軟な対応をすれば、無理のない投資計画が立てられます。

プロに相談して理想のカフェを実現しよう

ここまで、カフェ内装デザインの基本からスタイルの選び方、成功のポイントや注意点、費用とその削減方法まで詳しくご紹介してきました。

しかし、初めてのカフェ開業やデザインに不慣れな方にとっては、すべてを一人でこなすのはハードルが高いかもしれません。

そんな時に頼りになるのが、プロの力です。全国で商業施設や住宅などの企画・設計・監理を手がけている 株式会社IXSA(イクサ) では、カフェの内装デザインに関する企画・設計・施工までトータルで対応しております。

開業準備で迷いや不安がある方は、ぜひ一度、お問い合わせフォームからお気軽にご相談ください。

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